ハイターを使用した槽洗浄のやり方!キッチン/ワイドハイターで可能?
洗濯機の掃除をキッチンハイターやワイドハイターで行えるのか気になる方は多いかと思います。
ハイターには数種類あり、洗濯機の槽洗浄が可能な商品と不向きな商品があります。
そのため本記事では、槽洗浄可能なおすすめのハイター商品を紹介し、各商品での槽洗浄方法を解説します。
正しい知識で掃除をし、綺麗な洗濯機で洗濯できるようになりますので、最後までぜひご覧ください。
Contents
なお、この記事は、月間50台以上の洗濯機をクリーニングしている「洗濯機のまじん」スタッフが監修しています。
経験に基づき、洗濯機のお手入れ方法を分かりやすく解説!
この記事が洗濯機を清潔に保ち、日々の洗濯を快適にする手助けになれば幸いです。
槽洗浄の必要性

「洗濯機を洗う」という考えが一般的でないせいか、槽洗浄を行っていない方は非常に多いです。
洗濯機内部は、高温多湿であるためカビが繁殖しやすい上、衣類についた汚れやホコリ、石鹸カス、水アカなどが蓄積しているのです。
洗濯機掃除をせずに購入から1年経過すると、以下の問題が生じてしまいます。
- 洗濯物が臭くなる
- 洗いたての洗濯物にホコリが付着する
- 洗浄能力や乾燥能力が低下する
- 洗濯時間が長くなり、電気代・水道代が上がる
- 洗濯機が故障する
普段、洗濯機内部は目にすることが無いため「放っておいても良いか」と思いがちですが、剥がれ落ちたカビが洗濯物に付着すると健康被害に繋がる恐れもあります。
そのため、洗濯機は目安として月に1回の頻度で槽洗浄を行うとよいでしょう。
ドラム式洗濯機の掃除については、こちらの記事がおすすめです↓
ドラム式洗濯機の掃除方法をプロが解説!
【おすすめ】ハイターで槽洗浄できる商品一覧
ネット上では「キッチンハイターやワイドハイターで槽洗浄ができる!」という記述が見られますが、実際はどうなのでしょうか?
洗浄剤には主に酸素系と塩素系の2種類あり、酸素系洗浄剤は「過炭酸ナトリウム」の発泡作用によって汚れを剥がし落とします。
塩素系洗浄剤は、「次亜塩素酸ナトリウム」によって汚れを溶かし殺菌除去します。
そのため、洗浄剤の成分に「過炭酸ナトリウム」もしくは「次亜塩素酸ナトリウム」が含まれていないと、槽洗浄の効果は薄いです。
また、商品によって成分が異なるため、用途以外の使用は禁止されています。
KAO社や各洗濯機メーカー提供情報などを参照し、以下にハイター商品で槽洗浄の可否をまとめました。
商品 | 洗濯機の槽洗浄 | |
キッチンハイター | △ | |
キッチン泡ハイター | ✕ | |
ワイドハイター | △ | |
ワイドハイターEXパワー | △ | |
ワイドハイターPROリキッド | △ | |
ワイドハイターPRO粉末 | 〇 | |
ワイドハイターPRO泡スプレー | ✕ | |
ワイドハイター消臭専用ジェル | ✕ | |
ハイター | 〇 | |
強力カビハイター | ✕ | |
強力カビハイターEXPOWERカビ用密着ジェル | ✕ | |
洗たく槽ハイター | 〇 |
キッチンハイター

塩素系漂白剤であるキッチンハイターは槽洗浄に使用できますが、おすすめはできません。
キッチンハイターは主に食器やフキン、まな板などの食器用洗剤で取りきれない汚れの漂白を目的にしており、洗濯機に負担がかかる恐れがあるためです。
また、洗濯機メーカーも台所用漂白剤の使用は禁止と警告しているため、キッチンハイターを槽洗浄に使用した場合の責任が負えません。
ネット上では、キッチンハイターを使用した槽洗浄方法が散見されますが、KAO社や各洗濯機メーカーは禁止しているため使用を控えましょう。
それでも「急ぎで槽洗浄がしたくキッチンハイターしかない!」という場合は、以下の方法で槽洗浄が可能です。
<掃除方法>
- ぬるま湯を洗濯機の9割くらいまでの高さまで入れる
- 水10ℓに対し、50mlのキッチンハイターを入れる
- 洗濯機の「標準コース」か「槽洗浄コース」で運転する
- 数時間待機し、すすぎ洗い後に脱水する
<注意点>
繰り返しになりますが、キッチンハイターを使用した槽洗浄は、KAO社や各洗濯機メーカー非推奨ですので、あくまで自己責任で行うようにしてください。
キッチン泡ハイター

キッチン泡ハイターは、槽洗浄には使用できません。
主成分は次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)ですが、その名の通りスプレーで泡を噴射するタイプの商品です。
槽洗浄のように、洗濯槽全体に洗浄液を行き渡らせる必要がある掃除には不向きです。
また、界面活性剤が含まれているため、洗濯機を運転させると過剰に泡立ち、センサーの誤作動や故障の原因となる可能性があります。
KAO社も用途外の使用は推奨していないため、槽洗浄への使用は控えましょう。
洗濯槽のフチやゴムパッキンなど、部分的なカビ取りに使用する例も見られますが、こちらもメーカー非推奨の使用方法です。
キッチンハイターと同じように薄めて使えないの?と思う方もいるでしょう。
しかし、泡ハイターは薄めずに使う製品としてつくられているので、薄めて槽洗浄に使用しても効果が得られません。
ワイドハイター

酸素系漂白剤であるワイドハイターは、槽洗浄に使用できますが不向きです。
ワイドハイターは主に色柄物の衣類汚れの漂白を目的にしており、洗濯機本体の洗浄を目的としていません。
しかし、数種類あるワイドハイターの中でも、補助的要素として洗濯槽の防カビを目的とした商品が2つあります。
それは、「ワイドハイター PRO 抗菌リキッド」と「ワイドハイター EXパワー」です。
そのため、普段の衣類を漂白洗濯する際に、これらを使用することで洗濯槽の防カビ効果を期待できます。
洗濯機の槽洗浄単体では不向きですが、価格が安く日常的にも使用できるワイドハイターの槽洗浄方法を紹介します!
<掃除方法>
- ぬるま湯を洗濯機の9割くらいまでの高さまで入れる
- 水10ℓに対し、50mlのワイドハイターを入れる
- 洗濯機の「標準コース」か「槽洗浄コース」で運転する
- 数時間待機し、浮いてきたカビを取り除く
- すすぎ洗い後に脱水する
<注意点>
ワカメ状のカビを取り除かないで排水すると、排水口のつまりを引き起こす可能性があります。
ワイドハイターEXパワー

酸素系漂白剤であるワイドハイターEXパワーは、槽洗浄に単独で使うには不向きですが、普段の洗濯に活用できます。
製品自体に「洗濯槽の防カビ」効果が明記されています。
そのため、槽洗浄を専門に行うのではなく、日常的な洗濯に加えることで洗濯槽にカビが生えるのを防ぐ効果が期待できます。
掃除方法・注意点は「ワイドハイター」と同様です。
ワイドハイターPRO抗菌リキッド

こちらも衣類用の酸素系漂白剤のため、槽洗浄には不向きです。
ワイドハイターEXパワーよりもさらに強力な抗菌効果を謳った商品で、同様に「洗濯槽の防カビ」効果も明記されています。洗濯物のしつこいニオイ対策をしながら、洗濯槽を清潔に保ちたい場合に適しています。
KAO社の「ワイドハイター公式サイト」にも、既に洗濯槽についている汚れやカビを落とす効果はないと記載されています。
急ぎで「ワイドハイターPRO抗菌リキッド」を使用した槽洗浄を行う際は、「ワイドハイター」の掃除方法・注意点を参考にしてください。
ワイドハイターPRO粉末

粉末タイプの「ワイドハイターPRO」は衣料用漂白剤ですが、KAO社の製品ページでも洗濯槽の洗浄方法が紹介されており、槽洗浄に使用することが可能です。
主成分が「洗たく槽ハイター」と同じ「過炭酸ナトリウム」のため、その発泡作用により、洗濯槽の裏側に隠れたカビや汚れを強力に剥がし落とす効果が期待できます。
洗濯槽専用クリーナーとは厳密には異なりますが、その高い洗浄力から、いざという時に頼れるアイテムです。
<掃除方法>
- 電源を入れ、洗濯槽の高水位までぬるま湯(40℃程度が効果的)をためる。
- 「ワイドハイターPRO 粉末」を水60Lに対し300gを目安に入れる。
- 「洗い」コースで5分ほど運転させ、粉末を完全に溶かす。
- 電源を一度切り、約2時間つけ置きする。
- つけ置き後、浮いてきたカビや汚れをゴミすくいネットなどで丁寧に取り除く。
- そのまま「標準コース」(洗い→すすぎ→脱水)で1サイクル運転し、槽内を洗い流す。
<注意点>
ワイドハイターPRO粉末を使用してドラム式洗濯機の槽洗浄を行うことは推奨されていません。
しかし、通常の洗濯時に加えてワイドハイターPROを使用する場合は、ドラム式洗濯機でも使用可能と記載されています。
多くのドラム式洗濯機は、構造上つけ置きが難しいことに加え、酸素系漂白剤による大量の泡がセンサーの誤作動や故障、水漏れの原因となるため、使用を控えましょう。
ワイドハイターPRO泡スプレー

ワイドハイターPRO泡スプレーは、槽洗浄には不向きです。
エリそで汚れなどの衣類の部分的な汚れに直接スプレーして使う、泡タイプの酸素系漂白剤です。
スプレータイプのため洗濯槽全体に洗浄成分を行き渡らせることができず、また、界面活性剤による過剰な泡立ちがセンサーの誤作動や故障を引き起こす原因となるため、槽洗浄には全く適していません。
洗剤だけでは落としきれない衣類のシミに有効な商品なので、適した場面で使用しましょう。
ワイドハイター消臭専用ジェル

ワイドハイター消臭専用ジェル(旧ワイドハイタークリアヒーロー消臭ジェル)は、槽洗浄を目的とした製品ではないため、使用は推奨されません。
衣類のしつこいニオイ対策に特化した、ジェルタイプの衣料用消臭剤(漂白剤無配合)です。
ジェル状の液体は粘度が高く、水に溶け残ったり、洗濯機内部で過剰に泡立ったりする可能性があります。
あくまで普段の洗濯で衣類の消臭をするための製品であり、槽洗浄には専用のクリーナーを使用しましょう。
ハイター

白無地衣料専用の塩素系漂白剤であるハイターは槽洗浄に使用可能です。
成分の次亜塩素酸ナトリウムによって、洗濯槽のカビや汚れを溶かして殺菌してくれます。
次に紹介する酸素系の「洗たく槽ハイター」と異なり、ハイターは塩素系のため、強い洗浄効果が期待でき、洗濯機メーカーも推奨している洗浄剤です。
ハイターは槽洗浄以外にも幅広く使用できるため、どのご家庭にもおすすめできます!
<掃除方法>
- ぬるま湯を洗濯機の9割くらいまでの高さまで入れる
- 水10ℓに対し、100mlのハイターを入れる
- 洗濯機の「標準コース」か「槽洗浄コース」で運転する
- 数時間待機し、すすぎ洗い後に脱水する
<注意点>
塩素系漂白剤のため、目や皮膚、衣類につかないよう注意してください。
また、ドラム式洗濯機の方は、塩素系の洗浄剤がおすすめのため、ハイター使用が良いでしょう。
酸素系の洗浄剤でドラム式洗濯機の槽洗浄をする場合は、斜めになっている槽全体に洗浄剤が行き届かず、つけ置き時に十分な洗浄効果を得られない他、大量の泡が吹きこぼれる恐れがあります。
そのため、ドラム式洗濯機で槽洗浄を検討している方は、ハイターもしくは他の塩素系槽クリーナーの使用をおすすめします。
強力カビハイター

強力カビハイターは、洗濯槽の洗浄には使用しないでください。
この商品は浴室の壁やタイル、ゴムパッキンなどに発生したカビ取りを目的とした、スプレータイプの塩素系カビ取り剤です。
洗濯槽洗浄に必要な「つけ置き」には向いていません。また、粘度を調整するための成分や界面活性剤が含まれているため、洗濯機で使用すると異常な泡立ちが起こり、センサーの誤作動や洗濯機本体の故障に直結する危険性が非常に高いです。
しかし、洗濯機から取り外せる部品の掃除には活用できる場合があります。部分的な掃除や、糸くずフィルターなど取り外しが可能で漬け置きしたい場合は使用できます。
洗濯槽そのものではなく、取り外して丸洗いできる「糸くずフィルター」や「洗剤投入ケース」などに付着した、しつこい黒カビやぬめり。
これらをつけ置き洗いする際には、強力カビハイターが役立ちます。
強力カビハイターEXPOWERカビ用密着ジェル

この商品は洗濯槽全体の洗浄には使用できません。
高粘度のジェルが洗濯槽の穴や配管に詰まり、故障や水漏れの直接的な原因となるため、洗濯機を運転させて使う槽洗浄は絶対におやめください。
ただし、洗濯槽のフチやゴムパッキン、洗剤投入口など、直接手が届く範囲の「部分的な黒カビ取り」であれば、使用できる場合があります。
ジェルタイプはカビにピンポイントで密着するため、狙ったカビを強力に除去するのに効果的です。
<掃除方法(部分的なカビ取り)>
1.掃除したい部分(洗濯槽のフチなど)の電源が切れていることを確認する。
2.カビが発生している部分に、直接ジェルを塗布する。
3.製品の指示に従い、15~30分程度放置する。
4.放置後、使い古しの歯ブラシなどで軽くこすり、水で濡らした布や雑巾でジェルを念入りに拭き取る。
5.洗剤成分が残らないよう、きれいな布で何度も水拭きを繰り返して仕上げる。
<注意点>
洗濯槽内部(穴の開いた槽の内側や、その外側)には絶対に使用しないでください。
ジェルを塗布したまま洗濯機を運転させると、泡立ちや配管詰まりを起こし、故障の原因になります。
使用後は洗剤成分が残らないよう、念入りに水拭きしてください。成分が残ると、衣類の色落ちや洗濯機本体を傷める可能性があります。
洗たく槽ハイター

その名の通り、洗たく槽ハイターは槽洗浄可能です。
主成分の過炭酸ナトリウムが洗濯槽のカビや汚れを時間をかけて剝がし落とします。
酸素系クリーナーのため塩素系と比べて素肌に優しく、ツンとしたニオイもありません。
つけ置き時は、泡がブクブクと汚れを剥がし取る様子を直接確認できるため、掃除のやりがいがあります!
9kg以下の縦型洗濯機の方で掃除の満足感を得たい方におすすめです。
<掃除方法>
- ぬるま湯を洗濯機の9割くらいまでの高さまで入れる
- 洗たく槽ハイターを入れる(1回使い切りの180g)
- 洗濯機の「標準コース」か「槽洗浄コース」で運転する
- 数時間待機し、浮いてきたカビを取り除く
- すすぎ洗い後に脱水する
<注意点>
ワカメ状のカビを取り除かないで排水すると、排水口のつまりを引き起こす可能性があります。
9kg以下の縦型洗濯機に限るため、ドラム式洗濯機の方は使用できません。
ハイターと専用クリーナーの違いと使い分けポイント
「洗濯槽のカビやニオイが気になるけど、今家にあるのはハイターだけ…専用クリーナーを買わずに掃除できる?」と悩む方も多いでしょう。ここでは、ハイターと専用クリーナーの違いやそれぞれのメリット・注意点を理解した上で、汚れの程度に応じた使い分けのポイント、さらに普段から汚れをためないための予防クリーニングの考え方をまとめます。
ハイターと専用クリーナーの違い
まず大前提として、メーカーが推奨しているのは「洗たく槽クリーナー」です。
専用品は洗濯槽の金属部品やゴムパッキンへの影響を最小限にしつつ、カビや洗剤カスを落とすように成分が配合されています。酸素系は過炭酸ナトリウムの発泡作用で汚れをはがし、塩素系は次亜塩素酸ナトリウムで強力にカビを殺菌漂白します。
一方、ハイターはもともとキッチンや衣類漂白用の塩素系漂白剤です。強力な除菌・漂白効果がある反面、金属腐食やゴムの劣化などのリスクもあります。
また、強い塩素臭が残る可能性も考えておきましょう。洗濯機用として設計されているわけではないため、用途外使用となる点を理解した上で、自己責任で使う必要があります。
汚れやニオイの程度で使い分ける
「とにかくひどい黒カビを一発で落としたい」「生乾き臭がしつこい」という場合は、専用クリーナーを使うのが一番安全で確実です。特にドラム式洗濯機は構造が複雑で、メーカー推奨品を選ぶほうが安心です。
ただし「今すぐ掃除したいけど専用品が手元にない」という場合、ハイターを代用することも可能です。特に塩素系の次亜塩素酸ナトリウム成分はカビや雑菌に強いので、急ぎの殺菌漂白には役立ちます。ただし分量や放置時間を誤ると金属腐食やゴムパッキンの変質を招くリスクがあるため、慎重な取り扱いが必要です。
日常の予防クリーニングへの活かし方
「そもそも汚れをためない」ための日常の予防クリーニングも大切です。毎回洗濯後にドアを開けて乾燥させる、洗剤を入れすぎない、フィルターを掃除するなど、カビや臭いの原因を減らす習慣をつけましょう。
また、酸素系クリーナーを月1回程度使うなど、定期的な槽洗浄も効果的です。ハイターは頑固なカビを強力にリセットする「スポット用」として活用し、普段は酸素系やメーカー推奨品でメンテナンスする。
使い分けを意識することで、洗濯機を長持ちさせ、衣類も清潔に保つことができます。
ハイター掃除で注意すべきポイント
「今すぐ洗濯槽のカビをどうにかしたい」「手元にキッチンハイターしかない」というとき、“ハイターで槽洗浄ができる”という情報をよく目にします。
実際、ハイターには強力な殺菌・漂白作用があり、黒カビや嫌な臭いを落とす力は非常に高いです。
ただし、本来は洗濯槽専用品ではなく、用途外使用になります。
ここではハイターで槽洗浄を代用するときに知っておきたい3つの注意ポイントを解説します。
安全に、そして効果的に使うためにぜひチェックしておきましょう。
入れすぎ・濃度ミスを避ける
「カビをしっかり落としたい」と思うあまり、原液のまま入れるなどの使い過ぎは絶対にNGです。ハイターは高濃度の塩素系漂白剤で、金属部品を腐食させたりゴムパッキンを傷めたりする原因になります。
また、すすぎ不足だと次回の洗濯物に塩素臭が移ったり、肌トラブルを引き起こす可能性もあります。
安全に使うコツは、必ず適切に希釈することです。ハイターを洗濯槽に使う場合、一般的には水で数十倍に薄め、一定時間つけ置きするやり方が多いです。ただし洗濯機メーカーは専用品の使用を推奨しており、分量のガイドは公式ではありません。
使用する際は、「自己責任である」ことを理解し、必要以上に濃くしない・放置しすぎないを徹底しましょう。
衣類への影響を最小限にする
ハイター洗浄後の失敗談で多いのが「次に洗った服が塩素臭い」「黒ずみや色落ちが起きた」というケースです。洗濯槽内にわずかでも塩素成分が残っていると、特に色柄物やデリケート素材の衣類にダメージを与える恐れがあります。
解決策は、掃除後の念入りなすすぎです。槽洗浄コースを使うか、標準コースで数回空回しして塩素を完全に洗い流しましょう。
また、掃除直後は大切な服を避け、古いタオルなどでテスト洗いをすると安心です。特に小さな子どもや敏感肌の家族がいるご家庭では、残った薬剤による肌荒れを防ぐために細心の注意を払いましょう。
安全な換気と手袋使用
掃除をする際に忘れてはいけないのが、作業時の安全対策です。ハイターは塩素系漂白剤なので、換気が不十分だと強い刺激臭で目や喉を痛めたり、気分が悪くなったりすることがあります。
必ず窓を開け、換気扇を回すなど対策して作業しましょう。
また、ハイターは皮膚に触れると手荒れや炎症を起こす可能性があります。必ずゴム手袋を着用し、肌についたらすぐに水で洗い流します。目に入った場合も速やかに流水で洗い、痛みや異常があれば医療機関を受診しましょう。
そして何より酸性洗剤やお風呂用洗剤などと絶対に混ぜないで使用することが大切です。
ドラム式洗濯機での使用は可能?

酸素系漂白剤の「ワイドハイター」や「洗たく槽ハイター」は、ドラム式洗濯機での使用がおすすめできません。
特に「洗たく槽ハイター」の商品注意事項の欄には使用不可の表記があります。
これには洗濯機の構造と洗浄成分に理由があります。
ドラム式洗濯機は、洗濯槽が横向きまたは斜めに配置されているため、縦型洗濯機と異なり、全槽全体に洗浄剤が行き届かず、つけ置き時に十分な洗浄効果を得られません。
さらに、酸素系クリーナーを使用する際には多量の泡が生じて吹きこぼれることで、洗濯機の故障に繋がる可能性が高いためです。
そのため、ドラム式洗濯機を使用している方は、塩素系漂白剤の「ハイター」もしくは他社商品の塩素系槽クリーナー(洗たく槽カビキラー(塩素系)など)をおすすめします。
おすすめの塩素系槽クリーナー

ドラム式洗濯機を使用している方や、短時間で強力殺菌の槽洗浄を行いたい方は、専用の洗濯槽クリーナーの使用をおすすめします。
なかでも、おすすめできる塩素系クリーナーを5つ紹介します。
- 洗たく槽カビキラー(塩素系)|ジョンソン株式会社
- 激落ちくん泡立つ洗濯槽クリーナー|レック
- 洗浄力 洗たく槽クリーナー|エステー
- 洗濯槽クリーナー 縦型・ドラム式|パナソニック
- 日立 洗濯槽クリーナー 縦型・ドラム式|日立
これらはネットやお近くのホームセンター、ドラッグストアなどで購入可能です。
多くの洗濯機メーカーは、塩素系クリーナーでの槽洗浄を推奨しています。
その理由は塩素系クリーナーだと短時間で高い洗浄効果があるためです。
主成分の「次亜塩素酸ナトリウム」によって、洗濯槽に長年蓄積されたカビやバクテリア、洗剤カス、そして臭いの原因となる汚れを分解して除去します。
さらに、塩素系クリーナーは冷水で槽洗浄が可能ですので、温水機能がない洗濯機をお持ちの方などにもおすすめできます!

塩素系クリーナーのデメリットとしては、特有のツンとして刺激臭と肌にデリケートな点があります。
刺激臭は換気を十分に行うことで対策はできますが、敏感肌の方は目や皮膚、衣類につかないよう注意してください。
なお、塩素系クリーナーと酸素系クリーナーを混ぜると、化学反応により有毒ガスが発生するため、商品の指示に従い絶対に混ぜないでください。
水だけで槽洗浄は可能?

クリーナーを使用せず、水やぬるま湯だけで槽洗浄をしても効果はありません。
一見、洗濯機は綺麗に保たれていそうですが、実際は衣類についた汚れやホコリ、石鹸カス、水アカ、そしてカビ(黒カビ)などが蓄積されています。
水圧や温度を変えても洗濯槽のカビは落ちないため、専用のクリーナーを使用しましょう!
重曹やクエン酸で槽洗浄は可能?

重曹やクエン酸(酢)を使用した槽洗浄は不十分です。
どちらも手頃な掃除には向いていますが、頑固な洗濯槽の汚れやカビを落とすには限界があるためです。
なおクエン酸は、洗濯機の金属を腐食させる効果があり、これによって洗濯機内部のサビや故障に繋がる可能性もあるため使用は避けてください。
洗濯槽クリーナーについて更に詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【人気】洗濯槽クリーナーのおすすめ10選!洗浄剤の種類と効果も紹介
洗濯機のパーツも掃除!

ここまでハイターで行える槽洗浄について説明してきました。
しかし、洗濯機には多くのパーツがあり、槽洗浄の機会に一緒に他の部分も掃除を行いましょう!
洗濯機の掃除を自分でする方法については、こちらの記事がおすすめです↓
【保存版】プロが教える洗濯機の掃除方法!自分でする手入れ方法を徹底解説します
洗剤・柔軟剤投入口

洗剤投入口や柔軟剤投入口はホコリや洗剤などが混ざりあい、固まることで生じるヌメリ汚れやカビが発生します。
見て見ぬふりをしがちな箇所ですが、洗濯機を綺麗に保つために、毎回こまめな掃除をおすすめします。
<必要なアイテム>
- 濡れ雑巾
- 浴室用洗剤
- 歯ブラシ(スポンジ)
<掃除方法>
- 洗濯機の中身を空にし、ぬるま湯を少量かける
- ふやかした汚れを雑巾で拭き取る
- 浴室用洗剤と歯ブラシなどでこすり洗いをする
- ぬるま湯をかけ、雑巾で拭き取る
- 排水をする
洗剤投入口や柔軟剤投入口の掃除方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【洗濯機掃除の教科書】洗剤投入口や柔軟剤投入口の掃除方法を解説
糸くずフィルター(ゴミ取りネット)

糸くずフィルター(ゴミ取りネットとも呼ばれています)は、縦型洗濯機だと洗濯機の中に、ドラム式洗濯機だとドアの近くに設置されています(ドラム式の場合「排水フィルター」と呼ぶことが多いで」)。
洗濯時に衣類から出る糸くずや小さなゴミを集める役割があり、ここの汚れが溜まると排水口の詰まりや洗濯後の洗濯物にホコリが付着する影響などがあります。
カビも発生しやすいため、糸くずフィルターの掃除は月に1度は必ず行うようにしましょう。
<必要なアイテム>
- 濡れ雑巾
- 浴室用洗剤
- 歯ブラシ(スポンジ)
<掃除方法>
- 洗濯機の「脱水」コースを選択し、1~2分動かし糸くずフィルターの水抜きをする(ドラム式洗濯機の場合)
- 糸くずフィルターを取り出す
- 糸くずフィルター本体に溜まったゴミを取り除く
- ぬるま湯でふやかし、浴室用洗剤と歯ブラシなどでこすり洗いをする
- ぬるま湯で水洗いをして乾かす
- 洗濯機側の糸くずフィルター奥も歯ブラシなどでこすり洗いをする
- 糸くずフィルターを元の位置に戻す
<注意点>
こすり洗いで取り除けない汚れは、15〜30分間つけ置きするのをおすすめします!
なお、つけ置きする際は「強力カビハイター ハンディスプレー」がおすすめです。
糸くずフィルターの掃除方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
縦型洗濯機:【洗濯機掃除の教科書】糸くずフィルターの掃除方法をプロが解説
ドラム式洗濯機:【洗濯機掃除の教科書】排水フィルターと奥側の掃除方法をプロが解説
洗濯パン

洗濯機の下にある台(洗濯パン)は、水漏れした際に汚水の受け皿になったり、洗濯機の振動を吸収する役割があります。
この洗濯パン周りには髪の毛やホコリが溜まりやすく、月に1度を目安に掃除するとよいでしょう。
<必要なアイテム>
- 掃除機
- ハンディモップ
- 濡れ雑巾
- 浴室用洗剤
- ブラシ(スポンジ)
<掃除方法>
- 給水栓を閉める
- 洗濯機を1分ほど運転し、水抜きをする
- コンセントと排水ホースを抜き、洗濯機を動かす
- 掃除機とハンディモップでホコリを取る
- 浴室用洗剤とブラシなどでこすり洗いをする
- 濡れ雑巾で拭き取る
- 洗濯機を戻す
<注意点>
洗濯機を動かす際はケガに気を付け慎重に行うように!
洗濯パンの掃除方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【洗濯機掃除の教科書】洗濯パン(下の台)の掃除方法をプロが解説
排水口

洗濯機の排水口の掃除を怠ると、悪臭の発生や脱水機能の停止、最悪の場合は排水の逆流が起こります。
洗濯機の排水口は特にカビや汚れが蓄積しやすい箇所のため、月に1度を目安に徹底的にお手入れしましょう。
<必要なアイテム>
- パイプクリーナー
- 浴室用洗剤
- ブラシ
- バケツ
<掃除方法>
- 洗濯機の電源を消し、蛇口を閉める
- 排水口のパーツを取り外す
- 各パーツを浴室用洗剤でこすり洗いする
- 排水口内にパイプクリーナーを注ぎ込む
- 15〜30分間つけ置きし水を流す
- 排水口のパーツを元の位置に戻す
<注意点>
排水口のパーツは数種類あるため、写真を撮っておくと便利!
なお、つけ置きする際は「強力カビハイター ハンディスプレー」がおすすめです。
洗濯機の排水口の掃除方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
洗濯機排水口の掃除方法をプロが紹介!汚れやつまりの原因も解説!
【おすすめ】分解洗浄で根こそぎ掃除

槽洗浄は月に1回行うことで、洗濯機を比較的綺麗な状態に維持できます。
しかし、槽洗浄では洗濯機のカビや汚れを徹底的に除去できないのです!
なぜなら、槽洗浄では落としきれない汚れや、クリーナーが行き届かない箇所が多くあるからです。
これらの汚れは、洗濯機を丸ごと分解してこすり洗いする必要があります。
目安として洗濯機の分解洗浄は、年に1度の頻度で徹底的に掃除すると良いです。
洗濯機の分解洗浄について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【洗濯機掃除の教科書】分解洗浄の方法をプロが徹底解説-業者の相場も紹介
なおドラム式洗濯機の分解洗浄は、プロの作業員が行っても4時間かかることがあります。
洗濯機は複雑な部品が多く、初心者の方が挑戦しても丸一日かけても終わらなかったり、途中で元に戻せなくなったりするケースも・・・。
電気と水を扱う家電で危険なため、ドラム式洗濯機の分解洗浄はプロの業者へ依頼をおすすめします。
また、以下の記事で、分解洗浄の料金相場や失敗しない洗濯機掃除業者の選び方について解説していますので参考にしてください。
【料金】洗濯機分解クリーニングの相場と失敗しない業者の選び方を解説
洗濯機掃除はプロに依頼がおすすめな理由

洗濯機の掃除箇所は多岐にわたるため、徹底的に掃除を行いたいのであれば業者依頼がおすすめです。
その理由は、安全性の高さと、時間の節約です。
安全性の高さ
洗濯機は電気と水を扱う家電のため、漏電や火災のリスクがあります。
万が一感電などをしてしまうと、洗濯機の故障は当然、身体への影響は計り知れません。
専門業者は適切な工具と正確な手順でクリーニングを実施し、安全を確保します。
作業中のトラブルや故障に対する保証サービスも充実しているため、万が一の事態にも対応可能です。
洗濯機の掃除に慣れていない万は、思わぬリスクを背負わないためにも業者に依頼がおすすめです。
時間の節約
洗濯機の掃除箇所は多岐にわたるため、初心者の方が全てを掃除するためには1日で終わりません。
たとえば自分で洗濯機を分解洗浄をする場合、分解だけで丸一日かかることもあり、結果として翌日も洗濯機が使用できないこともあります。
プロによる分解洗浄作業は4時間程度で終わることが多いため、業者に依頼することは費用対効果が高いです。
洗濯機クリーニング業者は洗濯機の構造に精通しており、専門的な技術と長年の経験を活かして機械を細部まで分解し、徹底的にクリーニングします。
洗濯機のまじんについて
本記事を提供する「洗濯機のまじん」は、ドラム式洗濯機の分解洗浄を得意とする業界初の“洗濯機クリーニング専門業者”です。
あらゆるメーカー・タイプの洗濯機に対応し、細部の汚れも徹底的に清掃します。
サービス満足度96%とたくさんの方に高評価をいただいておりますので、洗濯機に異変を感じる方やピカピカにしたい方はぜひお気軽にご相談ください!
専門業者である強みを活かし、確かな技術力で、あなたの洗濯機を新品同様によみがえらせます。
ハイターを使用した槽洗浄のやり方まとめ
いかがだったでしょうか。
本記事では、ハイターで槽洗浄可能な商品を紹介し、それぞれの槽洗浄方法について解説しました。
また、槽洗浄以外で必要な掃除箇所と掃除方法を紹介し、徹底的に掃除を行うためにはプロへ依頼することがおすすめだと紹介しました。
当サイトには他にも洗濯機清掃に関するコンテンツが多くあるため、気になる方はチェックしてください。
投稿者プロフィール

- 洗濯機クリーニングのスペシャリスト。洗濯機クリーニングの深い専門知識と高度な技術力を誇り、月に50台以上の洗濯機を新品同様に蘇らせます。教育係としても活動し、チームの技術向上をリード。その明るく前向きな対応は顧客から高く評価され、感動と笑顔をもたらしています。
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